-社長プロフィール② BUSINESS-

営業成績0円から稼げる営業マンへ

社会人へ。そして地獄の始まり

大学4年になっても結局一度も試合に出ることのできなかった私は、洋服がすきだったこともあり、
大手アパレルメーカーのグループ会社へご縁をいただき、新社会人として就職をしました。

営業に配属となりましたが、既存ルート営業だったこともあり特に問題なく仕事をしていました。
それが、入社3年目に新規開拓営業へとポジションが異動となりました。

それははじめて味わう「地獄の始まり」だったのです。

る二冊の本から営業ノウハウを教わる

新規開拓営業はアポなしの「飛び込み営業」でしたので、先方はほぼ相手にしてくれませんでした。
運良く話しを聞いてくれたとしても注文にはつながりません。

ここではじめて、今まで自分が「会社名」と会社が積み上げてきた「信頼と実績」のある恵まれた環境の中で仕事をしていたことに気付いたのです。

過去を振り返っても、すべてがそうでした。
実績と伝統のある強い野球チームへ所属し、将来プロへいく同級生らと試合をしていたこと——
結局は自分ひとりの力ではなかったことを思い知らされたのです。

営業成績をいつまでも出せない自分に苛立ちながら、
はじめてきちんと勉強をしないといけない、と思ったのもこの時でした。

そこで書店のビジネス書棚を眺めていると、ある二冊の本が目に留まりました。
神田昌典氏・著『あなたの会社が90日で儲かる!』藤田晋氏・著『渋谷ではたらく社長の告白』です。
私の勤める会社も本社は渋谷にありました。「営業」「渋谷」「若い社長」という3つのフレーズが重なり、二冊とも即購入。隅から隅まで熟読しました。

藤田氏の著書からは、自分と同じ世代でこんなにすごい人がいるのか、
という驚きとともに自己の情けなさを痛感しました。

私のそれまでの思考は大学野球のころとまるで変わっていなかったからです。
自分が努力を怠ったばかりに高校ではレギュラーになれず、大学では雲泥の差をつけられながら、
またしても努力せず、4年間を無為にしてしまったこと…。

その過去の悔しさを思い返すと、いま努力しなければ、自分はいつまで経っても何者にもなれない、そう思ったのです。
 
神田氏の著書からは、クビ寸前だった著者と3ヶ月間、売上げ0円の自分が重なりました。
しかし、神田氏は厳しい環境からもオリジナルの手法で起死回生を図るのです。
 
この二冊から「営業ノウハウ」という武器を手に入れた気がしました。
それは野球でいうグローブとバット、ボール。
そしてコーチからキャッチボール、バッティングを教わったような思いがしてきたのです。
早速、翌日から書籍通りに実践をはじめました。しかし、思うようにはいきません。
そして、また本を購入。実践・失敗・実践・失敗…を繰り返す日々が何日も続きました。
 
そしてある日、本の一行が目に留まります。
 「魚の群れを探す—。」
そうです。私は自分では実践していたつもりが、一向に魚のいない場所で釣りばかりしていたのです。

そこで衣装を扱うオーディション主催会社に電話を掛けまくりました。
すると「御社で作ってくれるのですか!」と今までとは真逆の反応が返ってきたのです。
これには自分でもびっくりしました。
体育会出身で動きだけしか能のない売上げ0円の営業担当から、
稼ぐ営業マンへと変わった瞬間でした。

この経験で、部署へ少しでも貢献できたことが嬉しかったです。
その後、書籍の通り、90日で新規13件、売上げ400万円を上げることができました。
しかし、衣装制作は1回作るとそれで終わりです。また新規客を開拓し続けなければなりません。
これではいつまでも同じことの繰り返しだな、と感じ転職へ踏み切ったのです。

京JCから見えた10年後の自分

転職先は金融関係の会社です。
当時はホリエモン、村上ファンドなどが世間を賑わせており、
興味と将来的に自身が社長というポジションに就くかもしれない可能性も感じていた為、
金融の運用を学ぼうと思って入社しました。

しかし、法的規制が厳しい業界で、今までの営業ノウハウが全く通じなかったのです。
業界が違えば、もちろん当たり前のことですが、その頃の私は気づくことができませんでした。
さらにブティック型の小規模の会社でしたので、
スピード感をもって結果を出さないといけない環境。
焦ればあせるほど、結果は思うように出ない——。

会社規模を縮小するタイミングとともに退職することとなりました。
それでも、その投資会社の代表から東京JC入会を勧められたことがきっかけとなり、
現在でも親交のある一生の友人や仲間と出会うことができました。

東京JCの方々と名刺交換をするとみなさん独立もしくは先代を継いでいる方々ばかりでした。
私の父もビルメンテナンス会社を経営していたので、
いつか自分も同じような立場になるのではないか、と将来図を描くようになりました。

JCは「奉仕」「修練」「友情」の三信条の理念に基づいて活動しています。
そして活動はすべてがボランティア。
社長業をしながら、精力的にJC活動をする仲間を間近でみて、
私自身の挑戦心も湧き上がってきたのです。
少年野球のエースだった頃を思い出し、ビジネスの世界でもエースになりたい! 
決意するようになりました。その矢先、父から会社を継いでくれないか? 
との話があり、父の会社へ入社することになったのです。