新型コロナウイルスによる経営悪化から、社会共生企業へと進化
実は、2020年2月辺りから雲行きがだんだんと怪しくなってきていたのです。
新型コロナウイルスの影響が直撃したのは、取引金額№1だったホテル管理事業でした。
相次ぐホテルの休業。そして、契約の解除。それが4社にものぼったのです。
社内ではホテル管理契約解除による、現場のメイドスタッフさんへの解雇通知。
それらが一遍に3ヶ月のうちに起こりました。
やむなく、本社の人員整理もせざるを得ない状況となり
今まで経験したことのない経営悪化に陥ったのです。
私は楽観的な性格から、それでもなんとか乗り切れるだろう、
と当初は思っていましたが、世情とともに経営も闇への一途を辿ってゆきました。
その頃、政府からの雇用調整助成金や給付金支給制度もありましたが
わたしは国の保証制度に頼ることはしませんでした。
理由はひとつ。私自身の気持ちに緩みがでて
結果、もっと深刻な経営不振に陥ると思ったからです。
そして人生で初めて、金融機関から借り入れをしました。
しかもいきなり億を超える借り入れをしたのです。
しかし、全く臆することはありませんでした。
これから横浜を代表する企業になるため、
今が正念場だ、と頭を切り替えたのです。
そんなとき、現場から情報が入ってきました。
新型コロナウイルスの消毒作業をしてくれませんか?
という依頼がきたのです。
「ホンモクさんには突然の契約解除で迷惑をかけたのですこしでも恩返しになれば」
とのお話しをいただきました。
さらに私の知人からは、
「会社でコロナウイルス消毒作業を事業化したいから力になってほしい」
と連絡が入ったのです。
こんな偶然があるのでしょうか?!
まずはやってみよう、ということになり、
ホンモクで新たに保健衛生事業部を立ち上げて
コロナウイルス消毒作業を新たな事業として実施しました。
この新型コロナウイルス消毒作業の利益が
減少したホテル管理事業部の売上げを穴埋めする形となりました。
雨降って地固まる——最大の危機的状況から
そのピンチを逆手にとることで乗り越えることができたのです。
これもすべて今までの経験から、お金の損得勘定より
「人材こそが宝」である
という理念を貫き通した結果でもありました。
それでも正直に本音をいえば、非常に苦しかったです。
誰にもこの危機的な状況を打ち明けることができず、家族にも言えませんでした。
そうした孤独を経験してから、私はそれまでより一回り成長した気がしています。
ホンモクはこれから新たなステージへと向かいます。
私たちのビジョンを実現するため不動産業に進出いたします。
新しい事業へ踏み切ることには一抹の不安もありますが、
いまのホンモクには素晴らしい仲間が大勢います。
仕事は決して一人ではできません。
多くの知恵が結束してこそ、新しい道を切り拓いてゆくことができるのです。
それが、新型コロナウイルスが出現してからの二年間で、私の得た教訓でもあります。
これからの株式会社ホンモクは、スタッフ一同の力を合わせて、
遠くない未来に横浜を代表する社会貢献企業へ成長することを目指してゆきます。
今後も変わらぬ、ご指導ご鞭撻の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
株式会社ホンモク
代表取締役社長
鳥海敦士