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「ビル管理って何?」大切な資産を長持ちさせる初歩の初歩
今回は不動産会社さん、建築会社さん、オーナーさん向けのお話です。
中でも「そもそも、ビル管理って何だろう?」
「ビルメンテナンスってお掃除の仕事の事でしょ??」
と思っている方に、ぜひ見ていただきたい内容です。
先に言ってしまうと、上記の方々にとてもメリットのある話です。
さて、ビル管理について。
マンションに住んでいる人は、労働組合があるので、ちょっとは馴染みがあるかもしれません。
また、オーナーさんも、少しでもコストを抑えたい気持ちから、関心があるかも・・・。
ビル管理というのは、例えばマンションでいうと
〈お金の管理〉
〈建物管理〉
と大きく分けて管理の分野が2つあり、そのうちの〈建物管理〉のことですね。
〈お金の管理〉は、
・修繕積立金の金額確認
・自治会費などの支払い
・共用部分の電気・水道代・メンテナンスにかかる費用の支払い
などなど、主に管理組合のお金を管理するのが仕事です。
対して〈建物管理〉は、
・清掃作業
・消防点検
・貯水槽清掃
・排水管洗浄
・エレベーター点検
・管理人業務(事務処理)
といった内容。
マンションの〈建物管理〉は、管理組合費用の中で賄っている為、出来るだけコストを安く済ませたいもの。
そこで、「相見積もりをする」「作業回数を減らす」「仕様を変える」など、あの手、この手でコスト削減を図ります。
また、30年も前から立っている建物になると、住む人も高齢化してきます。年金暮らしの人も多くなる。
そうすると、実質的に収入は減っていく。
修繕費用なども高騰しているので、管理組合費や建物管理費、修繕積立金の値上げしようとしても、それはそれで非常に痛い。
しかし、放っておくと建物は傷んでくる。
するとマンション全体の資産が下がって、最終的に売りにくくなります。
したがって、どうしてもそのしわ寄せが管理会社に来てしまうのです。
マンションの話をしているので先にマンションの〈建物管理〉の詳細を説明すると、
・年2回の消防点検
・高圧洗浄を使った定期清掃
・普段の日常清掃
・排水管洗浄
・貯水槽清掃
といったように、水回りの点検と消防点検がメインになります。
そして、10年に1回ある外壁防水塗装。
これだけ抑えておけばOKです。
これは、投資用マンションやワンルームマンション、ファミリータイプのマンションも一緒。
それをどこまでやるのかは、オーナー次第です。
ビルの〈建物管理〉の場合は、大きさによって異なります。
3000㎡を超えていると、建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の資格者をおいて管理しないといけません。
また、上記のマンションの内容に加えさらに、
・ビル管理計画の提出
・空気環境測定
・害虫防除点検
・防火対象物定期点検
・特定建築物定期調査
・防火設備定期調査
と、大幅に点検する内容も増えてきます。
要約すると、清掃分野は、ガラス清掃が加わる程度。
しかし、
・建築点検
・衛生管理
・設備点検
が大きく加わり、消防点検もさらに詳しく点検しないといけません。
今述べたことは当社の提案ではなく、法的に定められているのです。
なので、「もっと削れないの?」「この点検しなくても良いんじゃないの?」と、言われるオーナーもいますが、どうしても省くことが出来ません。
また、不動産売買にする時は、当社で点検した資料を提出した事もあります。
きちんと管理されているビルでないと、融資の審査がおりないからです。
“実は、ビル管理をきちんとしている建物は、資産価値があがる!”なんてことは言いません。
しかし、より長持ちして、より快適に使える重要な資産になります。
法に沿って建物管理して、是正部分の修理工事もきちんと実施。
そうやって手入れをすればするほど、新品同様に長く使えます。
うちはビル管理やメンテナンスを生業にしている会社ですけど、「国が定めた法的に沿ってきちんと管理していれば、長持ちしてより快適に使えるんだな。」と、感心すらあります。
そのため、問題が起きず、普段は決して目立つ仕事でありません。
逆に目立つような仕事をする事は、普段何もしていない証拠。
メンテナンスが日常生活になじむほど、日々細かい所を点検して、修理修繕すれば、建物はより長く使えるのです。