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ゲスト評価とスタッフ評価は違う!? 最高の清掃とは
ホテル業界の清掃プロセスには、見た目の美しさだけでなく、効率やゲストの期待に応える細やかな配慮が求められます。しかし、実はゲストからの清掃評価とベッドメイクスタッフが高評価を得る清掃には少し違いがあるのです。今回は、ベッドメイクスタッフ視点での清掃ポイントと、ゲストが清掃で最も注目するポイントをまとめました。
ベッドメイクスタッフが重視する清掃のポイント
1.ベッド周りの清掃と整え方
ベッドは部屋の印象を左右する重要な要素。特に、シーツをピンと張り、角をしっかり折り込む「ミリタリーベッドメイク」スタイルは清潔感の象徴です。さらに、マットレスやクッションのチェックも欠かせません。汚れや破損があればすぐに交換・補修を指示し、クッションやカバーを正しい順序で美しく配置することで、部屋全体の雰囲気が高まります。
ヘッドボードに付いた手垢や髪の毛も目立つので、丁寧に拭き取りましょう。
2.目に見えない部分の清掃
ベッド下に溜まったホコリや落とし物がないか念入りにチェック。枕の中身や匂いなど、見えにくい箇所にも丁寧に気を配ります。ゲストの目につきにくい場所だからこそ、これらを徹底することで部屋を清潔に保つことができ、ゲストに「見えないところまできれいにしている」という信頼感を与えることができます。
3.短時間での効率的な仕上げ
限られた時間で質の高い清掃をするためには、効率的な作業手順が重要。ビジネスホテルでは、1部屋あたり20分以内で清掃を終える必要があります。そのため、清掃スタッフは部屋全体を素早く、かつきれいに見せるテクニックを身に付けることが求められます。

ゲストが注目する清掃ポイント
1.整理整頓と清潔感
部屋全体がきれいに整えられていると、ゲストは部屋に一歩足を踏み入れた瞬間から安心感や満足感を得ることができます。たとえば、リモコンを直線的に配置する、カーテンのひだの角度をそろえるなどの工夫が効果的です。また、充電器や電気コードなどは目に見えないように整理し、必要最小限のアイテムだけを配置することもポイント。これにより、余計なものがないすっきりと整った空間を演出できます。
2.ベッドメイクの技術
シーツがピンと張られているか、布団のラインが揃っているか、クッションや枕がふっくらしているか……こうした細部へのこだわりがゲストに高級感と快適さを感じさせます。特にシンメトリーに配置されたベッド周りは、清潔でプロフェッショナルな印象を与えることができるでしょう。
3.光と明るさの効果
部屋が明るく見えると、ゲストも快適に過ごすことができます。窓ガラスや鏡をきれいに磨き、部屋に自然光を取り込むことで、空間全体が明るく広く感じられます。また、柔らかい光で包みこむように照明の角度を調整することで、温かみのある雰囲気を作り出すことも可能です。
4.匂いと空気の清浄
部屋に入った瞬間の香りは、ゲストの第一印象を左右します。強すぎない柔らかな香りを漂わせつつ、空気の循環をよくして、清潔で心地よい空間の提供につなげましょう。特に、窓を開けて新鮮な空気を取り込んだり、エアコンの風向きを調整したりすることは部屋全体の快適さを向上させるのに効果的です。
最後に、ゲストの期待を超える清掃の工夫について2つ触れておきましょう。
ゲストの期待を超える清掃ポイント
1.第一印象を大切にする
ゲストが部屋に入った瞬間に受ける第一印象は、部屋全体の清潔感や快適さを左右する非常に大切なもの。特に、部屋に入る第一歩目が完璧になるように、玄関周りの清掃やドアノブのピカピカ具合、玄関マットの清潔さは重要です。
また、ゲストの目線の高さにも意識を。テーブルや壁のアートなど、ゲストの目に一番に飛び込んでくるアイテムや装飾品を整えることで、よりバランスの取れた快適な空間を演出することができます。
2.フィニッシングタッチ
清掃の仕上げとして、ゲストが手に触れる部分をもう一度拭き直す「最後のひと拭き」を忘れずに。特にテーブル、リモコン、ドアノブなどの高頻度で触れられる場所は重要です。また、タオルアートやリボンを付けたボトルウォーター、あるいは「清掃済み」のカードなどは、ゲストに特別感と安心感を与えることができます。
ベッドメイクや家具・装飾品の完璧な配置と整頓、見えない部分への配慮、香りや空気感、部屋全体の統一感・清潔感など、細かい部分への気配りが「一流の清掃」として評価されます。
ゲストの目線を意識しながら細部にまで気を配ることで、スタッフから高い評価を得られる清掃が実現できますし、ゲストからも「完璧に清掃されている」と感じてもらえるのです。